テーマ : 思考実験 〜 臓器くじ
日時 : 2024年2月27日(火) 19:30 – 21:00
会場 : 妙行寺門徒会館

思考実験をテーマに、まずはトロッコ問題からスタート。線路を走る制御不能のトロッコに遭遇した参加者の皆さんに、どのような行動・選択をされるのかをお聞きしました。

①線路を切り替えなければ「5人が確実に」命を落とす。(何もしないを含む) ②線路を切り替えると「切り替え先にいる1人が確実に」命を落とす。結果は「線路を切り替えます」と答えた方が多くおられました。線路を切り替えないと答えた方は「本来亡くならない運命にある1人の人間を殺めることに抵抗がある」とのご意見をいただきました。

次に「トロッコ問題の歩道橋問題」へ。先程との違いは、1人の男を「歩道橋上から線路に突き落とす(男は死亡する)」選択になります。結果は「私は突き落とさない」と答えた方が多くおられました。突き落とすかもしれないと答えた方は、人生は楽しいものだから「1人より複数名に人生を生きて貰いたい」とのご意見をいただきました。

いずれのトロッコ問題も複数名の命を救う(可能性がある)ことに違いはありません。しかしながら結果に差異が見られるのは「ご自身の手で直接」人を殺めることの違いでしょうか。線路の切り替えは、交換機を操作するか?になります。歩道橋問題は「良心の呵責が尽きない」とも。視点を変えると戦争が起きた場合。直接ご自身の手で沢山の人間を殺めることができないとしても「核ミサイルのボタンなら押せるケースもあるのでは?」とのご意見から、皆さんで対話も重ねていきました。

トロッコ問題の対話を踏まえた上で「臓器くじ」へ。無差別に選ばれた「1人の健康な人間」を臓器提供者として、全ての臓器を取り出す。各臓器の移植を待つ患者に提供する。臓器提供者は死亡しますが、移植を受けないと命を落とす運命にあった「複数名の患者は生存することができる」思考実験です。

臓器くじの思考実験は、皆さんが同回答となりました。健康な人が誰かの代わりに死ぬことも理解できない。自分が患者側でも移植を望まない。助からなくていい。などのご意見をいただきました。トロッコ問題は衝突までの僅かな間で判断を求められる緊急事態ですが、臓器くじも「複数名の命を助けるために1名が亡くなる」ことに変わりはありません。

トロッコ問題や臓器くじは「例えが極端」「現実的ではない」と思われた方もいるかもしれませんが、非現実的な話ではないのです。例えば自動運転車が普及した世界。街中で「AIが複数の人間を轢きそうになった場面」を皆さんで想像しました。AIは自動運転車の近くを歩く集団よりも、咄嗟にハンドルを切って「反対側を歩く1人の人間」と衝突させることを選択するかも。その責任はどこに?など、今回の哲学カフェもあっという間に終了となりました。皆様どうもありがとうございました。

 

– 次回の開催について

4月23日(火)に妙行寺門徒会館にて。参加予約は「4月1日19時30分」より、ホームページで開始予定となります。初めての方もお気軽にお越しください。皆さまのご参加をお待ちしております。